下記は以前のデータ処理の説明です.現在は粒径区分を細分化し,潮解性粒子と鉱物粒子を区分する偏光解消度のしきい値を変更しました.
偏光OPCは,吸引した粒子に波長780nmのレーザー光を照射し60°の前方散乱光強度から粒径を推定し,0.5-1μm, 1-3μm, 3-5μm, 5-10μm, 10μm以上の5つの粒径範囲別の個数濃度を測定する(Kobayashi et al., 2014).同時に,120°の後方散乱光を偏光子によって分け,得られた平行成分(P)と垂直成分(S)の信号強度から偏光解消度S /(S+P)を算出し,個別粒子の形状に関する情報を得る.前方散乱光,後方散乱光のP偏光成分とS偏光成分の光強度を全て保存しており,個々のエアロゾル粒子の詳細なデータも得られる.現在の測定時間は5分であり,5分ごとにグラフが更新される.
粒径と偏光解消度を基にエアロゾルを40に区分し,鷹取ら(2015)によるエアロゾルの組成分類基準により人為起源粒子,鉱物粒子,そして,海塩粒子に分類する.
その後各成分の粒子は粒径レンジの代表径を用いて密度(人為起源粒子:1.77 g/cm3,鉱物粒子:2.60g/cm3,海塩粒子:2.18g/cm3)と仮定,全ての粒子が球形であると仮定することで質量濃度を算出している.